夜勤勤務者は、昼夜のリズムが崩れ、肌トラブルが起こりやすい状況にあります。特に夜勤中から夜勤明けに手荒れの悪化を感じるということはありませんか。

私は夜勤をすると、手がガサガサ、かゆみが止まらなくなることがあります。
睡眠のリズムが崩れることによる身体的な疲労とともに、通常の勤務に比べ少ない人数で勤務することによるナースコールの対応や急変時の対応に対する不安など、大きいストレスがかかります。ストレスによる肌負担も大きく、手荒れにもつながります。
夜勤による手荒れの主な原因と夜勤者にできる手荒れ対策をお伝えします。
1.夜勤による手荒れの主な原因
頻繁な手洗いとアルコール消毒
・多くの患者と関わることで、一処置一手洗いを実施すると、必然的に手洗いの回数は増えます。手洗い回数が増えることは、皮膚のバリア機能が低下します。
・アルコールは速乾性が高いため、頻回の使用による皮膚の乾燥やひび割れが発生します。
自律神経の乱れと血行不良
・夜勤による生活リズムの乱れでターンオーバーが遅れる
ターンオーバーとは?
基底層で細胞分裂した細胞が分化・成熟しながら上層へ移動して角層を形成した後、垢となり脱落する
過程に要する時間の事です。

ターンオーバーが遅れることで、バリア機能が低下し、外的刺激を受けやすく皮膚トラブルの原因になるのです。
・皮膚の再生がうまくいかず、荒れやすい
栄養不足と水分不足
・夜勤中は食事が不規則となりがちで、ビタミンやミネラル不足になりやすい
・水分摂取量も減り、皮膚の乾燥を助長
睡眠不足による免疫力低下
睡眠の質が低下し、肌の修復機能が落ちる

手指消毒とストレスで乾燥が進んでかゆみが増し、掻いてしまったら、最後。
ターンオーバーの遅れと肌の修復機能が落ちて、なかなか治らず、
手荒れの無限ループになることも。
2.夜勤者にできる手荒れ対策
低刺激のハンドソープ・消毒剤を選ぶ
・保湿成分配合のものは乾燥予防につながります。保湿成分が刺激にはなる場合には、無添加や低刺激のハンドソープを使用してみましょう。消毒薬もノンアルコールを使用するなど、ご自身にあったハンドソープや手指消毒剤を選ぶことが大切です。
ハンドクリームをこまめに塗る
・水仕事や手洗い、手指消毒後、就寝前などに保湿。
・セラミドやヒアルロン酸、シアバター配合などが効果的。尿素は硬くなった角質を柔らかくするため効果的と言われますが、手荒れがひどい状態で使用すると、しみることがあります。
夜勤前後のスキンケア
ハンドクリームをしっかり塗って、綿の手袋🧤を装着
夜勤前:保湿パックでバリア機能を高めるため
夜勤後:バリア機能が低下した皮膚の修復するため
栄養バランスの良い食事を意識して摂取
ビタミンB群(皮膚の修復を助ける)を含む食品(豚肉・卵・大豆・緑黄色野菜など)
コラーゲン生成に必要なビタミンC(柑橘類・ピーマン・ブロッコリーなど)
適度な水分補給
・夜勤中は業務に集中することで水分摂取するタイミングを逃してしまいやすいです。意識して水分摂取していきましょう。
十分な睡眠を確保
夜勤前や夜勤明けはアイマスクや耳栓をして、質の良い睡眠をとるようにしましょう。
仮眠休憩は、ホットアイマスクがおすすめ。目から入る光や刺激を遮断し、脳への余計な情報が入りにくくなり、短時間でも効果的な休息をとりやすくしてくれます。
3.まとめ
夜勤は、手荒れの原因になりやすいですが、正しいケアで予防ができます。保湿・栄養・睡眠の3つを意識することが大切になります。
自分に合った手荒れ対策を見つけ、快適に夜勤を乗り切りましょう