「今の先生の治療では納得いかないから、セカンドオピニオンで別の病院に行きたいんです」
「セカンドオピニオンで行った病院で、一から検査してもらいたい」
患者さんから、こんな相談を受けることがあります。
でも、よく話を聞くと「セカンドオピニオン」と「紹介受診」を混同しているケースが多いのです。
この2つは似ているようで、目的も内容も大きく違います。ここではその違いを整理してみます。
セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは、主治医以外の医師から診断や治療方針について意見を聞くことです。
- 目的:現在の治療方針が妥当か、他に選択肢があるかを確認するため
- 内容:相談が中心で、新しい検査や治療は基本的に行わない
- 費用:自費診療になる(30分で数万円程度が一般的)
つまりセカンドオピニオンは「別の視点を参考にして、納得して治療を選ぶための場」です。
検査や治療を受ける場ではありません。ほかの病院の医師の意見を聞いたうえで、今後の治療方針を患者さんが選択し、決定していくためのものです。
紹介受診とは?
紹介受診とは、主治医の紹介状を持って、別の病院や専門医で診察・検査・治療を受けることです。
- 目的:より詳しい検査や専門的な治療を受けるため
- 内容:診察や検査が行われ、必要に応じて治療が始まる
- 費用:健康保険が適用される
紹介受診は「治療の継続」が前提。セカンドオピニオンのように「相談だけで終わる」わけではありません。
セカンドオピニオンと紹介受診の違い
項目 | セカンドオピニオン | 紹介受診 |
---|---|---|
目的 | 治療方針の意見を聞く | 診察・検査・治療を受ける |
内容 | 相談が中心、検査なし | 検査や治療を行う |
費用 | 自費(保険適用外) | 保険診療 |
主体 | 患者の意思決定をサポート | 主治医の判断で治療をつなげる |
大きな違いは、「相談の場」か「治療の場」かという点です。
セカンドオピニオンが役立つ場面
「どの治療法を選んだらいいのか迷っている」
「主治医の説明だけでは不安が残る」
「他の専門家の意見も聞いてみたい」
そんなときにセカンドオピニオンは力になります。
反対に、「検査をやり直したい」「治療を変えたい」という場合は、セカンドオピニオンではなく紹介受診の対象になります。
まとめ
セカンドオピニオンと紹介受診は、似ているようで全く別物です。
- セカンドオピニオン=意見を聞く場
- 紹介受診=診察・検査・治療を受ける場
この違いを知っておくと、医療機関に相談するときもスムーズです。
不安や疑問を一人で抱え込まず、納得できる形で医療を受けていきましょう。
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